Kaizen

アオノだからできること

「創造」にかける思い。
ここでは、私たちがたゆまぬ創造力と提案力で
お客様のビジネスをさらなる改善へ導いた事例を一部ご紹介いたします。

Case.1

妥協なき材料へのこだわり。
「アオノ品質」は、ここから始まった。

世界有数の材料メーカーとの
運命的な出会い。
物流・包装資材、真空成型品の企画製造におけるアオノの独自性は、類い稀な創造力と提案力だが、良質な材料も強いアドバンテージだといえる。
今から遡ることおよそ15年、アオノが取り引きしていた材料の供給元が倒産の憂き目にあい、材料調達が急務となった。
当時、世界におけるレジンの生産国は、タイ、中国が主流だった。そこでアオノは中国のとある企業へアプローチを試み、材料の供給を打診。後にわかるのだが、その相手は世界でもトップクラスの原材料メーカーだった。こうして取り引きがスタートすると、アオノは要望する物性を実現するために、幾度となく現地へ出向いて材料メーカーと調整を重ね、配合レシピを作り上げた。そうして仕上がった材料は、この上なく高品質で期待を超えるものだった。アオノのこだわりに、一流の材料メーカーが実に的確に応えてくれたのだ。
このようにして秀逸な材料は「アオノ品質」の基礎となり、他社との差別化に貢献。その後も長くアオノの躍進を後押しすることになる。
いかなるときも、
助けてくれる人がいる。
「ラッキーなんです」と青野社長は事もなげに言う。「ピンチのときこそ自ら動いてチャンスをものにするのが当社のやり方。その結果、幸運を拾ったというところでしょう」。
熱意ある者同士の意思が共鳴するとき、ある種の化学反応のような相乗作用が働くことがある。そんな瞬間を、アオノは何度も経験しているのだろう。曰く、「どんなときも協力してくれる人がいる。もちろん私たちも動き回りますが、当社だけではうまくいきません。身近な人、関わる人たちがそれぞれの局面で積極的に協力してくれるからこそ今がある。感謝しかありません」。
その言葉どおり、国内外の企業との取り引きは拡大の一途をたどり、アオノの成長期のビジネスを支え続け、現在に至っている。

Case.2

真空成型による梱包輸送容器開発で
今までに無い付加価値を創出。

発想力、緻密な設計力、技術力を結集。
今から数年前、アオノはユニークな試みに挑んでいた。自動車の輸出部品を、種類ごとに確実かつ安全に固定し、なおかつ輸送コストの削減にも寄与する梱包輸送容器の開発だ。積み上げた経験値と、アオノが誇る真空成型の技術をもってすれば、実現できる見込みがあった。企画開発において常に協力関係にある取引先の助力も、大きな支えとなった。
着目したのは、往路と復路で大幅に減容できる機能を備えた梱包輸送容器だ。従来の容器においては往路と復路で同じ輸送費がかかっていたため、この課題の払拭に取り組んだのだ。
設計は、海外輸送時の積載効率と輸送・保管時の利便性を向上すべく、海上コンテナのサイズの算出から始まった。海上コンテナの内寸をモジュール化して容器の外寸を割り出す。空間のロスを極限まで減らし、重量はエルゴにも対応。部品のサイズをデータ化し、ケース内のレイアウトを設計した。
「内装一体型容器」を考案。
アオノ発案の「内装一体型容器」の概要はこうだ。
プラスチックケースの内側の形状は、高さ入り数と形状をそれぞれ分類して複数のパターンを作成。内装材は部品の形状に合わせ真空成型で製造し、部品を固定する仕組みとした。部品を固定しつつ、衝撃やコンタミから守る役目を担う。プラスチックケースはネスティング・スタッキングの形状を持たせたリターナブル方式。輸送・保管時の利便性とコスト削減に大きく寄与した。内装カバーは真空成型でワンウェイタイプだ。
創造のチャンスを見逃さない。
それがアオノ。
安定した収納と輸送・保管コストの削減を叶えた梱包輸送容器は、晴れて量産ラインに乗る。最終ユーザーは国内の大手自動車メーカー。輸送・保管時のコストは大幅に削減され、成功裏に終わった。
アオノにおける「創造」とは、ゼロの状態から価値を生み出すことを指す。まだ世の中に無いもの、人が気づいてさえいない利便性を創り出す。アオノの創造力で、世界は少しずつ便利になっているといえるだろう。

Case.3

部品の総重量は約30kg。
ハイレベルな要望への挑戦。

アオノの創造力が試された依頼。
内装一体型容器の開発以降、順調に成長を続けていたアオノに、約2年後、新たな依頼が入った。収納容器企画の新規依頼だった。収納するのは総重量約30kgという自動車部品だった。前回の開発設計の実績が評価されたことで、新たな挑戦の担い手として声が掛かったといえるだろう。
重心と固定ポイントの捻出が鍵。
アオノにおいて、設計は業務の中核を担う。長年にわたる経験から得た知見を駆使し、データ上で何度もシミュレーションを行った。
重量のある部品を固定し安定させるには、部品の「重心」と「固定ポイント」の見極めが肝となった。「固定ポイント」とは、プラスチックのケースに設けるわずかな突起で、部品のズレ止めを担う。
今回の開発要件は、形状が異なる2種類の部品を共通の容器に収納するというもの。それぞれの部品に共通する固定ポイントの捻出と、形状の違いを内包する設計が求められた。さらには、全工程がロボット対応だったことから、設計のハードルはいっそう上がっていた。いずれもアオノにとって新しい挑戦だった。
その後、発注元による複数の物流テストを無事に通過し、量産がスタート。アオノ渾身の製品は、今や世界中の物流に乗って自動車部品を運んでいる。

アオノの挑戦は終わらない。
前作を凌駕する最新型 梱包輸送トレイ開発。

真空成型の可能性を追求。
目下、試作中の包装手法があるという。真空成型トレイに、重量物に対応する機能性を持たせようというものだ。原材料から検討し、使用するシーティングマシンを厳選。材料の物性と厚みを、可能な限り拡充して耐荷重の機能を強化。さらに、落下による衝撃テストを繰り返し行い万全を期した。
この真空成型トレイにおいて肝要なのは、衝撃を「逃がすポイント」と、部品を「保持するポイント」だという。これらのポイント設定はデータ上でシミュレーションを繰り返し、複数パターンの形状でテストを実施。その結果を基に最適解を導き出した。これまでの経験値と粘り強い探求心が、成功への鍵となった。
さらに、密封機能を持たせた蓋が部品を外気から遮断。振動によるコンタミの発生にも対処した。この新型トレイが完成すれば、プラスチックケースの汎用化に加え、積み荷全体の軽量化が実現し、大幅なコストダウンが見込めるのだ。
株式会社アオノは、次のステージへ。
昨今、アオノはインドネシアのグループ会社にも設計を依頼し、本社とグループ会社の双方でレベルアップを図るべく取り組んでいる。幅広いアイデアを取り入れてブラッシュアップし、よりハイレベルな製品を完成させるのだという。これまで蓄積してきた技術と実績を若い力と融合させ、さらなる飛躍を創造しようとしているのだ。
さらに現在、アオノは社内で排出されるスケルトン材を、新たな材料に生まれ変わらせるシステムを構築しようとしている。社内で排出されたスケルトン材を粉砕加工して海外工場に輸出。表層には従来のバージン材を用い、中間層に再生材を混入することで、高品質な再生シートになる。単に再生シートを購入するのではなく、新たな仕組みそのものを考案し確立するところがアオノ流だ。既に工場内の一部に動力として再生エネルギーを導入済みだ。いずれも温室効果ガス削減へ寄与する試みである。世の中の動きを見て、アオノがすべきことを考慮した結果だという。
アオノならではの有効な一手を、機を見て講じるスタイルは、今後も変わることのないアオノの流儀といっていいだろう。
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